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== 国内時代小説 ==

竜馬がゆく(後編)

司馬遼太郎
文春文庫
★★★★★☆




歴史の扉を未来へ押しあけた若者の生き様を描き切った不朽の名作。

【後半4巻のあらすじ】
池田屋ノ変、蛤御門ノ変と、京では志士たちの凄絶な闘いが繰り広げられる。
時勢は急展開を見せるかと思ったが、奮迅むなしく次々と倒れる同志たち。
竜馬の海軍塾も幕府の命で解散の憂き目にあい、壮大な夢も画餅に帰した。
倒幕運動もこれまでかと思われたが、竜馬の胸に起死回生の策が浮かぶ。
「薩長同盟」。この両藩が手をむすぶ意外に道は無い。
かくして日本の未来は一人の若者にたくされた。
歴史の扉を未来へ押しあけた男の生き様を描き切った不朽の名作。

【読みどころとポイント】
司馬遼太郎は竜馬だけが、その思想と行動において型破りだったと語る。

幕府支配下での藩の集合体でしかとらえられていなかった幕末において
日本国という国家としてのあり方に目を向け、
巨視的な視点で国をひとつにまとめんと奔走する竜馬。

歴史の教科書ではさらりと書かれている「薩長同盟」や「大政奉還」に
かくも多くの人々の奮闘と熱いドラマがあったことに
あらためて驚嘆せざるをえない。

多くの志士たちが武力によって幕府打倒を目指す中、
竜馬は冷静に情勢を分析し、薩長同盟という奇跡を起こし
大政奉還という奇策によって歴史の未来を押しあけた。

司馬さんは最後にこう語る。「天に意思がある、としか思えない」と。
動乱の幕末における竜馬の存在、まさにそれは奇跡という他は無い。

竜馬のそのひたむきな姿と偉大なる業績を通して
我々は日本の歴史の重みと日本人である事の誇りを再認識できるのだ。

竜馬がゆくを読む事で、読者は日本人である事を自覚し
大きな歴史のうねりの中で奮迅した人々の熱い思いを通して
自分がこれから成すべき事は何かを模索する機会を与えてくれるのだ。

これからも多くの人々にずっと読み継いで欲しいと思う傑作。
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┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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== 国内時代小説 ==

竜馬がゆく(前編)

司馬遼太郎
文春文庫
★★★★★☆




幕末の風雲児、坂本竜馬の生涯を鮮やかに描く傑作歴史小説!

【前半4巻のあらすじ】
幼少時代「寝小便ったれ」とからかわれた泣き虫の洟垂れ小僧「坂本竜馬」。
竜馬は嘉永六年、江戸の剣術修行に旅立ち千葉道場の門をたたく。
折しもこの年、浦賀沖にペリー率いる黒船が到来し江戸中は騒然とする。
勤王・攘夷熱が高騰し薩摩・長州が勢力を伸ばす中、
土佐藩では勤王党率いる武市半平太がクーデターを決起。
一方、武市のやり方に限界を感じた竜馬は脱藩を決意。
勝海舟との運命的出会いを経てついに軍艦を手に入れた竜馬は
新たな時代へと大きく舵をとっていく。

【読みどころとポイント】
年末から年始にかけて「竜馬がゆく」を読み直している。
幕末維新史上の奇跡と呼ばれた型破りの風雲児。
今さらここで延々と竜馬論を語るまでも無いのだが
何度読み直しても新鮮な感動があるのもまた事実。

司馬遼太郎は、幕末の社会背景と各藩の動向、
志士たちの葛藤と生き様をおりまぜながら
竜馬の飄々とした人物像と型破りの生き方を
鮮やかに見事なまでに描き出した。

「世に生を得るは、事をなすにあり」と語る竜馬は
自らそれを体現しながら徐々に周囲の人々に
我らが進むべき道とその生き方を知らしめていくのだ。

軍艦を手に入れ艦隊をつくり倒幕を果たし外国と戦う。
そんな奇想天外な竜馬の発想は
勝海舟という稀代の人物との出会いによって現実のものとなる。

物事をたえず俯瞰的な目線でとらえ世の情勢を分析し
江戸幕府ではなく“日本”を国という概念で見つめる竜馬の目は
すがすがしいまでに爽やかで、そして雄大なのである。

前半4巻では、武市率いる勤王の志士たちが奮迅空しく瓦解し
京都では薩摩との先陣争いで長州が没落する中
竜馬は軍艦を手に入れ徐々に周囲の人々を巻き込み
勝とともに新たな風を巻き起こさんとするまでが描かれる。

大海原をつき進む軍艦の甲板で自ら指揮をとり
日本の未来をひらかんとする竜馬の姿は
今の時代を生きる我々にも大きな力を与えてくれるだろう。
(後編へつづく)

┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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== 国内時代小説 ==

秘太刀「馬の骨」

藤沢 周平
文春文庫
★★★★



派閥争いの歴史の影に消えた幻の剣技の行方は?

【あらすじ】
北国の小さな藩で近習頭取をつとめる浅沼半十郎は、
筆頭家老から「馬の骨」と呼ばれる秘太刀(ひだち)の存在について聞かされ、
小出の甥の石橋銀次郎を手伝い、秘太刀の継承者を探せとの命を受ける。
かつての派閥争いの暗殺につかわれたと言われる
幻の剣「馬の骨」は本当に存在するのか?
何故今になって家老は「馬の骨」を調べようとするのか。
秘太刀探索を命じられた半十郎と銀次郎は、
藩内の剣客ひとりひとりと立合い、
己の剣技をもって秘剣の存在をつきとめようとする。
半十郎がたどりついた真相とは?

【読みどころとポイント】
藤沢周平の隠れた逸品とも言われる作品。
もともと藤沢はミステリが大好きで
彼の著書には謎解き色が濃いものも多い。
この物語では
秘太刀と呼ばれる「馬の骨」は存在するのか?
存在したとしたら「継承者」は誰か?
筆頭家老の真の目的は何か?
といった謎が冒頭から提示される。
読者は半十郎の目線で
その謎を追う楽しみが用意されているという訳。
それも剣の立ち会いを通して、ですよ。
どうです、魅力的でしょ!

それにしても、藤沢周平は
江戸時代のサラリーマンを書かせると天下一品
派閥争いの中で不安を抱えつつも
組織の中を泳ぎながら
自分の生き方を全うしようとする半十郎の姿に
現代のサラリーマン諸氏は共感すること請け合いです。
圧倒的なヒーロー像を俯瞰した視点から描く司馬遼太郎とは対照的です。
心を病む妻の杉江の存在も
こうした演出に一役かっているのです。
う~ん、うまい!
サラリーマンなら絶対に読みなさい!(笑)

ここで注意!
文春文庫の出久根達郎氏の巻末解説は
絶対に先に読んではいけません。
それから最後まで本書を読んだ方は
必ず巻末解説を読むべし。
これ以上は読んでからのお楽しみということで!

┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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