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== 現代ミステリ ==

古い骨

アーロン・エルキンズ
ハヤカワ・ミステリ文庫
★★★☆



風光明媚な北フランスのモン・サン・ミシェルで発見された“古い骨”の秘密とは?

【あらすじ】
北フランスに館をかまえる老富豪が、親族を呼び寄せた矢先に不慮の死を遂げた。
数日後、館の地下室から第二次大戦中のものと思われる人骨の一部が発見される。
フランスを訪問中だった形質人類学者ギデオン・オリヴァーは、
警察に依頼され人骨を調べ始めるが、続いて親族の一人が毒殺された!
骨から難事件を解決に導くスケルトン探偵ギデオン・オリヴァーの活躍を描く
アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作品。

【読みどころとポイント】
本書はスケルトン探偵と称される「ギデオン・オリヴァー」シリーズの3作目。
既に多くの人に読まれている作品だが私は初読。

ギデオンは形質人類学者で、骨から年齢、性別はもとより
職業や生前の生活まで推論してしまう特技の持ち主。
白骨死体を科学的に分析し僅かな手がかりから難事件を解決に導く。
世界中の警察が“スケルトン探偵”と呼ぶほどの存在だ。

風光明媚な北フランスのモン・サン・ミシェル湾で
満ち潮と流砂に巻き込まれ一人の老人が溺死するショッキングなシーンから
この物語は幕をあける。まずは上々のすべり出し。

老人は北フランスに館をかまえる長老で、
各地に別々に住んでいる親族を呼びよせた矢先の出来事だった。
一方、老人の数日後館の地下室から
第二次大戦中のものと思われる“古い骨”が発見される。

ひとつの館に集まった親族が遺産相続と犯罪に巻き込まれていく設定は
ミステリの古典的なパターンだが、白骨の科学的分析による推理や
随所に織り込まれる北フランスの風光明媚な描写など
けっして古さを感じさせない仕上がりになっている。

ギデオンは骨の分析は得意だが
探偵としては素人という雰囲気を残しているのもいい。
お互いのミスを指摘し合うFBI捜査官ジョン・ロウとのやりとりも楽しい。
ギデオンには最愛の妻がいて遠方から彼に良きアドバイスを授ける。
仲睦まじい夫婦コンビの推理もほほえましい。

物語中盤まではプロットがやや平板で退屈だが
後半真相が見えてくるにつれてリズムが生まれ
ハラハラするアクションシーンも用意されている。

ミステリに精通した読者なら
作者の用意した謎のひとつは見破れると思うが
真相をすべて解明できるかはわからない。

古典的な本格推理に現代的な科学捜査をプラスし、
トラベルミステリーとしての楽しさをちりばめた本書は
ギデオン・オリヴァーの個性的な存在とあいまって
幅広い読者の共感を生んでいることは間違いなさそうだ。
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┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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== 未分類 ==

古代カルタゴとローマ展

京都府京都文化博物館
特別展
★★★★★



古代地中海の覇者カルタゴの繁栄と交易の地に華開いた優美な文化

【展覧会の概要】
かつて地中海は古代世界の中心であった。
エジプト、ギリシア、ローマそれぞれの風土に培われた文化や美術の様式が、
人の行き来や貿易によって各地にもたらされ、
その土地の固有の文化と融合し新たな様式が生み出されてきた。
本展示会は古代地中海の世界を概観すると共に、
海洋国家の中心として繁栄したカルタゴの姿とそこに華開いた優美な文化、
古代地中海世界の壮大なドラマを美しい資料群とともに紹介する。

【見どころとポイント】
本展示を見たのは4月。
見てから記事のアップまでずいぶん時間がたってしまった。

古代カルタゴは、紀元前9世紀にフェニキア人の都市国家が建設した植民地である。
西地中海の交易で繁栄し、前4世紀には本国が衰退するも
カルタゴは海洋国家として大きく繁栄し歴史に名を刻むことになる。

その後、3度にわたるローマとの戦い(ポエニ戦争)で消滅させられたカルタゴは
100年後ローマの植民地として再建され再び繁栄の時代を迎える。

本展覧会は、交易や度重なる戦争、人々の流入などを背景に
古代地中海世界の壮大なドラマとカルタゴで華開いた優美な文化を
美しい資料とともに公開する展示会となっている。

第1ゾーンでは、「地中海の女王カルタゴ」と題し、
海上交易で繁栄したカルタゴの姿を紹介。

一番印象に残ったのは、軍港と商港を兼ねた円形上の港の模型。
ユニークな形で防塞の機能と商用としての利便性を両立した
この時代ならではの工夫が見られ興味深い。

カルタゴの英雄ハンニバルの展示コーナーは
黒と赤を基調に拡張高い展示で荘厳な雰囲気を醸し出している。
ハンニバルとゆかりの深い特別出展の「鎧」はとても貴重なものらしい。

第2章「ローマに生きるカルタゴ」のゾーンでは
ローマとの戦いを経て衰退と復興を成し遂げたカルタゴを
チュニジア国立博物館群の名品160点余を通して紹介。

なかでも圧巻なのは、約5メートル四方の巨大なモザイク。
キプロスやクニドスなどの地中海の都市や島々や魚たちが描かれ
当時の人々が地中海にはせた思いを堪能できる。

モザイクはすべて間近で見られるように展示されており
じっくりとモザイクタイルひとつひとつの美しさを鑑賞できる。
う~ん、実に美しい。

2009年の6月から始まった巡回展も終盤に突入。
現在開催されている浜松会場も5月30日までで、
その後にひかえているのは宮崎の総合博物館、
名古屋の松坂屋美術館のみとなってしまった。

まだご覧になっていない方はぜひ足を運ぶことをお薦めする。

┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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== 警察小説 ==

T・ジェファーソン・パーカー
ハヤカワ文庫
★★★



保安官補夫妻銃撃事件に女性巡査部長マーシ・レイボーンが挑む

【あらすじ】
保安官補夫妻が銃で撃たれる事件が発生した。妻は死に夫は瀕死の重傷。
指紋の検出状況や硝煙反応から夫が無理心中を図ったと推察されたが
殺人課の女性巡査部長マーシ・レイボーンは不自然な点に気づき捜査を開始する。
昏睡から目覚めた夫に嫌疑が集中する中、ひたすら捜査を進めるマーシー。
新薬開発投資にからむ闇の存在が徐々に明らかになり
事件は思わぬ方向に動き出した。

【読みどころとポイント】
作家のT・ジェファーソン・パーカーは、二度のMWA賞に輝く実力派作家だ。
本書はミステリとしての謎解きよりも、
女性巡査部長マーシ・レイボーンの苦悩と活躍を描く人間ドラマがメイン。

マーシーはスタイリッシュな生き方を貫くヒロイン像とはほど遠く
捜査スタイルも古典的で粘り強さが心情。
男性に対しても不器用でどこか垢抜けない印象だ。

ときに感情的になりすぎたり
コンビを組む刑事に思いをよせながらも告白できず
短絡的に結論を急ぎすぎる点を部下に諫められたりと
“かっこよくない女性巡査部長を熱演”している。
この点は昨今の女流ハードボイルドものと比べても、とっても新鮮。

本作はどうやらシリーズものの3作目らしく
前作までのマーシーの苦い過去が要所で挿入され
いまだにそれを引きずっているという設定も辛辣だ。

とにかくマーシーの心情がこれでもかと書き込まれている。
状況描写もちょっと説明過多で
この辺は好き嫌いの分かれるところだと思う。

ミステリ色はさほど強くなく意外な真相やあっと驚く仕掛けは無い。
プロットも割と平板なのでアクロバティックな展開を好む人には勧められない。
むしろ第一作からマーシ・レイボーンの人生における成長を
あせらずじっくり見つめていく、そんな読み方が適している。

無骨な男性刑事を主人公にした刑事小説はこれまでも数多く書かれて来たが
本書のように不器用な女性巡査部長の苦悩を描く警察小説はあまり無かったので
本書を女性の方が読んだらどのような感想を持たれるのか興味がわく。
読んだ女性の方がいらっしゃればぜひ感想を聞かせてください。

┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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== 映画 ==

アリス・イン・ワンダーランド

監督:ティム・バートン
出演:ミア・ワシコウスカ/ジョニー・デップ/ヘレナ・ボナム=カーターほか
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
★★★



ティム・バートン&ジョニー・ディップのコンビが贈る「不思議な国のアリス」

【あらすじ】
ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」を、
ティム・バートン監督がおなじみの奇抜な世界観で描くファンタジー。
アリスは不思議な白いうさぎを追いかけて、
現実の世界から地下の世界(アンダーランド)に迷いこんでしまう。
そこは邪悪な"赤の女王"が支配する不思議な世界。
アリスを伝説の救世主だと信じる者たちに支持され、
彼女はいつしかアンダーランドの運戦いに巻き込まれていく。

【観どころとポイント】
おなじみ、ティム・バートン&ジョニー・ディップのコンビが贈る
「不思議な国のアリス」を大胆にアレンジした話題のファンタジー映画だ。

やっぱり気になるのはティム・バートンが「不思議な国のアリス」の世界観を
どんな風に映像化するのかという点とジョニー・ディップの変身ぶりでしょうね。

正直ストーリーはちょっとありきたり。
フツーのヒロインがひょんな事から不思議な世界に迷い込むと、
そこには我儘で邪悪な女王が君臨。
なぜか主人公は選ばれし者で、虐げられる民の圧倒的な支持を受け
悪者をやっつけちゃうという勧善懲悪の物語。
「ナルニア国物語」や「ライラの冒険」等に見られる、
ファンタジー映画の王道のストーリーです。

でもきっと、ティム・バートンは、使い古された筋立てでも
持ち前の映像美と演出で斬新な作品をつくれるってことを証明したかったんでしょう。
うん、実際成功しているし見ていて楽しい。
不思議な植物に不思議な動物、不思議な登場人物‥。
“不思議”をキーワードに、サービスいっぱいの作品に仕上がっています。
CGバリバリじゃなく、なんだか作り物のセットっぽい感じや
デフォルメにスキが残っているのも味があって良いですよ。
最新技術をバッチリ駆使して“どうだ、スゲーだろ!”っていう
近年のハリウッド作品に食傷気味という方には、
こんな「手づくり感のある暖かみ」の演出も結構良いのではないでしょうか?

ジョニーの変身振りはもちろん健在です。
ちょっと寂しげでおどけたユーモラスな道化役はやっぱりハマってます。
アリス役の新星ミア・ワシコウスカの不思議な存在感も将来が楽しみ。

本作品にはちょっと辛口の批評も多いようですね。
確かに筋立てもキャラ設定も演出も安易といえば安易。
でも、小さな子どもから大人まで気軽に楽しんでもらうには
このくらいの単純さで良いのかもしれないと私は思っています。
とはいえ、次作品では筋立ても演出もぶっ飛んだものに期待していますので
採点はちょっと辛口で星3つです。

┃ テーマ:今日観た映画 ━ ジャンル:映画

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