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== 未分類 ==

ヴィクトリア女王―大英帝国の“戦う女王”

君塚 直隆
中公新書
★★★★★



イギリスの黄金期を築いた“戦う女王”ヴィクトリアの生涯

【あらすじ】
イギリスで最も輝かしい時代をつくりあげたと言われる女王ヴィクトリア。
彼女は18歳で即位し64年間にわたり大英帝国の王位に君臨した。
「君臨すれども統治せず」の確立期と言われた時代だが
不安定な政党政治や混迷する議会を背景にヴィクトリアは積極的に政治に介入。
欧州各王室との血縁ネットワークを深め独自の外交を展開していく。
「太陽の沈まない帝国」と呼ばれたイギリスの黄金期を支えた女王の実像に迫る。

【読みどころとポイント】
イギリスは二度の革命を経て議会政治が確立した。
しかし議会政治が確立したとはいえ
女王の即位当時の政治は未だ不安定な時期。
国王の存在と政党政治は表裏一体の関係にあったのだ。
本書の前半では、そんな時代に即位した若き女王が
混迷する政治に苦悩しつつも凛とした采配と行動力で
イギリスの黄金時代を基礎を築いていく様子を知ることができる。

治世の後半では欧州諸国の工業化が進み各国の世界市場進出が激化。
諸国は互いに反目と連帯を繰り返しながら
領土拡大と植民地政策を虎視眈々と狙っている時代に突入する。

ヴィクトリア女王には夫アルバートとの間に9人の子どもがあり、
ヨーロッパ諸国の皇族と子どもたちの婚姻を通じて
王族ネットワークをつくりあげ幾度となく訪れる一触即発の危機を回避していく。

そして時には戦争も辞さない毅然とした決断と行動力で
大英帝国の裾野を世界中に広げて行くのだ。
その大胆にして繊細な外交力はまさにあっぱれ。
「ヨーロッパの祖母(ゴッドマザー)」と呼ばれたのも納得だ。

後にビクトリアが死去し、ドイツのビスマルクも失脚すると
徐々にヨーロッパは第一次世界大戦への道を歩んでいくことになるのだが
それを考えるとヴィクトリア女王の偉大さと
彼女の存在が当時の欧州諸国の均衡に深く関わっていたことに
改めて気づかされる次第である。

本書はまさに、まさに“戦う女王ビクトリア”の姿を
当時の激動のヨーロッパ情勢とともに活写した良書。
ビクトリア女王について学びたい人は
まず最初に手にとることをおすすめする。
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┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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== 国内ミステリ ==

オレたちバブル入行組

池井戸 潤
文春文庫
★★★★☆



理不尽な上司に正義の鉄槌を!中間管理職必読の痛快銀行マン小説。

【あらすじ】
大手銀行の東京中央銀行大阪西支店で融資課長をつとめる半沢は
支店長の強引な命令で、ある会社の融資を実行したが同社は倒産。
支店長の浅野はその責任をすべて半沢に押し付けようとする。
倒産した社長は雲隠れし、債権回収も絶望的な状況。
銀行上層部の執拗な責任追及が続く中
半沢は絶体絶命のピンチを脱することが出来るのか?


【読みどころとポイント】
まさに痛快!の一言に尽きるストーリー。
組織の理不尽な権力に屈する事無く
自分を陥れた者達に正義の制裁を下していく爽快な筋立て。
企業の組織の中で悶々とする中間管理職にはイチオシの小説だ!

バブル期に夢を描いて入行した者たちもいつの間にか中間管理職。
後のバブル崩壊により非常な現実に直面しつつ悶々とする行員たち。
出世レースも既に折り返し地点。課長の半沢もそんなひとりだ。

組織の中で上司にたてつくのはそう容易いことではない。
部下に責任をなすりつける上司、部下の手柄を独占する上司、
何もしない傍観者の上司、根っからの悪徳上司などなど、
みなさんの周りにもたっくさんいるよね。
しかし上司は選べない。
そんな上司の下についたらひたすら自分の運を呪うのみだ。

半沢が勤める大阪西支店の支店長もご多聞にもれず
責任転嫁と理不尽な権力をふりかざす典型的なサイテー上司。
その支店長は人事部とベッタリだから尚更始末に悪い。

上層部がよってたかって半沢を潰しにかかり
その執念深さと執拗なやり口にはホント閉口させられる。
怒りをぐっと押さえながら反撃のチャンスを伺う半沢の姿に
読者は俄然エールを送ってしまい頁を捲る手も徐々にスピードアップ。

後半に明かされる意外な真相とそれを巧みに使いながら
反撃の攻勢に転じる半沢の姿にやったー!行け~!って感じで
おもわず拳に力が入ってしまった。

銀行のしくみや内幕がとっても丁寧に解説されていて
この辺の知識に乏しい私のような読者でも難なくスラスラ読めて、
へーなるほど銀行ってそういう面もあるのか、と勉強にもなった。
会社でヘコんでる中間管理職の方は、ぜひご一読得を!

┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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== 国内ミステリ ==

外事警察

麻生 幾
日本放送出版協会
★★★★☆



対テロ活動を行う影の機関「外事警察」の活躍を描く迫真の諜報小説!

【あらすじ】
日本国内でテロリスト対策などにあたる影の機関「外事警察」。
すべてが隠密に進められ決して姿を公に晒すことはなく、
最高レベルの秘匿作業を行うプロフェッショナルたち。
そんな彼らの前に大規模なテロの予兆が忍び寄る。
果たして彼らは日本を未曾有のテロの驚異から救うことが出来るのか?
日本の危機管理を迫真のストーリーで描き出した諜報小説。

【読みどころとポイント】
NHK土曜ドラマで話題になったドラマの原作。
警視庁外事第三課作業班班長の住本警部補を中心とした
外事警察メンバーの活躍を描く書き下ろし諜報小説。

テレビでは住本役を渡部篤郎が強烈な個性で演じ
ダークで非情なキャラクター像が強烈な印象を残した。

人物造形のインパクトでは小説よりもテレビの方が勝っているが
小説の方は個性的な部下をまとめあげるリーダーの苦悩や
班長としてのプレッシャー、家庭との狭間でゆれる父親像などが描かれ
逆に感情移入をしやすく危険な場面での緊張感がぐっと高まっている。

これまでは日本を舞台とした国際テロ小説というと
何か現実離れしていて真実味に欠けるイメージがあったが
国内でも外国人がらみの事件が多発しアルカイダなどの話題が日常化する昨今
作者の対テロ危機管理システムの綿密な書き込みや
場所、視点、時間を次々と変えるスピーディな展開もあいまって
リアリティと緊迫感あふれる迫真の物語に仕上がった。

前半は姿無きテロリストたちとの追跡劇が淡々と展開。
住本たちとともに読者も散々あちこちを引き回される。
後半は爆破や誘拐などスリリングなシーンが連続。
テロ対策にからむ次期首相候補の策謀や警察上層部の不穏な介入、
情報提供者との心理戦や特殊部隊SATの決死の突入など
読みどころも数多く展開も飽きさせない。

住本以外のメンバーの書き込みがやや不十分なのが残念だが
テロリストとの情報戦をここまでリアリティをもって書ければ十分。
読み応えのある第一級のエンターテインメント小説と言えるだろう。

┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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