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== 国内ミステリ ==

新参者

東野 圭吾
講談社
★★★★☆




江戸情緒が残る町の人間模様に、加賀の名推理が挑む連作短編ミステリの逸品


【あらすじ】
昔ながらの江戸情緒が感じられる日本橋小伝馬町。
この町のマンションで四十代女性の絞殺死体が発見された。
義理と人情が今も残るこの町で発生した殺人事件に
腕利きの刑事「加賀恭一郎」が挑む。
練馬署から日本橋に着任したばかりの
自称新参者の名推理が冴える連作短編ミステリー。

【読みどころとポイント】
よく出来ている連作短編ミステリーだ。
第一にミステリの舞台を小伝馬町に設定したところが良い。
この町はオフィスと小物問屋が入り込む街並みで
今も江戸情緒が感じられる老舗の店が点在している。

この町に昔から住む人々は義理と人情に厚く
それぞれが相互に関わりを持ちながら生活しているのだ。
当然、事件にも間接的でありながら
何らかの関わりを持っているからやっかいだ。

昔気質で頑固で意地っ張り、素直に本音を言えない人々。
そんな不器用な人々に、加賀は温かい眼差しを向けながら
人々の心を根気よくノックし、時には辛抱強く耳を傾け
事件の謎を少しずつ解きほぐしてゆく。

煎餅屋、瀬戸物屋、時計屋といった老舗の個人商店を営む人々の
古風な人間模様にミステリをからませた構成の妙に脱帽。
不器用な人々が本音を隠し、善かれと思ってとった行動が
結果として事件の真相を見えにくくし
読者を幻惑させるようになっている点が実にうまい。

連作短編であるためそれぞれの作品が一応完結してはいるのだが
最後の短編以外は事件の真相解決に至らず
加賀の洞察力による人間模様の謎解きが読みどころだ。
事件の謎を掘り下げることが、結果的に
日本橋に住む人々の温かさを浮き彫りにするしかけになっているのだ。

ある意味、構成がパターン化されたハートウォームな筋立てのため
読者は安心して作品を読めるのであるが、実はそれこそが落とし穴。
そんな読者の心理は当然作家の東野はお見通し。
“あたたかみ”と“本格の遊びごころ”にあふれたミステリの逸品を
ぜひ、みなさんもご堪能あれ。
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┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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