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== サスペンス ==

暗闇へのワルツ

ウィリアム・アイリッシュ
ハヤカワ・ミステリ文庫
★★★★



サスペンスの巨匠が書いた甘美なムード漂う転落へのワルツ

【あらすじ】
商社を経営するルイス・デユランドの心は浮き立っていた。
通信交際会を通じて知り合ったジュリアという女性と
幾度かの文通を経て結婚することになったのだ。
初めて会う花嫁を乗せた船を港で待っていたデュランドだったが
港に降り立ったジュリアは写真とは全くの別人で
ずっと若々しく誰もが振り返るほどの美女だった。
サスペンスの巨匠が書いたムーディーな「暗闇へのワルツ」


【読みどころとポイント】
全編に漂う甘美なムードとサスペンス。
ウィリアム・アイリッシュの手腕が見事に発揮された作品。

叔母の写真を送っていたというジュリアの言葉を信じ
結婚に踏み切ったデュランドだったが
それはまさに転落へのワルツのはじまりだった。

狂おしいほどに愛らしいジュリアとの結婚で
私生活でも薔薇色の人生を手にしたデュランドだったが
日が経つにつれジュリアの不可解な行動が目につくようになる。

何となく不自然さを感じるデュランドだったが
とどまることのないジュリアへの想いが彼を盲目にし
逃れる事の出来ない甘い罠へとはまっていく。

うまい。実にうまい。
甘美なワルツに垣間見える強烈なサスペンス。
悪女ジュリアはどこまでも美しく妖しく可愛い。

全編に漂うアイリッシュの華麗でムーディーな演出が
転落する男の悲劇をより一層際立たせ
サスペンスを強烈なものにしている。

物語の中盤にさしかかるところで
デュランドはジュリアの正体に気づくのだが
相手が悪女とわかった後でも、
自分が騙されていると知っても
デュランドは彼女につくしてしまうのだ。

いったん本書を読み始めたら
誰もがアイリッシュの華麗な罠に落ちていくだろう。
暗闇へのワルツが果たしてどのような結末を迎えるのか。
今宵は甘美で妖しい悪女の心地よさに酔って欲しい。
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┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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== 現代ミステリ ==

大穴

ディック・フランシス
ハヤカワ・ミステリ文庫
★★★★



元チャンピオンジョッキー、シッド・ハレーの再生を描くシリーズ代表作!

【あらすじ】
レース中の落馬事故で腕を負傷し騎手生命を絶たれた
元チャンピオンジョッキーのシッド・ハレー。
その後、ラドナー探偵社の調査員として無気力な日々を送っていたが
事務所に侵入したチンピラに撃たれて病院送りとなってしまった。
何とか回復を果たしたシッドだったが、
その後競馬界に巣食う陰謀に巻き込まれることに。
夢も栄光も愛もすべてを失ったシッドが過去の弱さを断ち切り
悪に敢然と立ち向かっていくフランシス作品の代表作。

【読みどころとポイント】
久しぶりに再読したのだが驚いた事に内容はすっかり忘れており
新鮮な気持ちで読む事ができて逆に嬉しかった。

ディック・フランシスの作品では基本的に1作ごとに主人公が変わるのだが
本作の主役シッド・ハレーは以降の作品で何度か再登場を果たす。
フランシスファンにとってはお馴染みのキャラクターだ。

過去にチャンピオンジョッキーにまでなったシッドだったが
過去の落馬事故で左手をズタズタに引き裂かれ引退を余儀なくされた。
競馬がすべてだったシッドは妻にも愛想を尽かされ
ラドナー探偵社で無気力な毎日を送る日々。

本作はそんな屍同然となっているシッドが
強盗の銃弾を浴びるというショッキングなシーンで幕をあける。
栄光も愛も希望も失ったそんなシッドに降りかかった災難。

何とか回復を果たしたシッドは義理父チャールズの元に身を寄せたが
そこで競馬場買収にからむ犯罪の匂いを感じとった。
ラドナーの指示にとまどいつつ調査に乗り出すシッドだったが
真相は思いのほか深くシッドの身にも危険が迫って来た。

本書の読みどころは全てを失ったシッドが
ある事件をきっかけに立ち直っていく様子を描いた再生の物語にある。
フランシスの書く主人公たちはけっして屈強なスーパーマンではなく
紳士で自尊心が強いものの普通の生活人たちなのだ。

後半には犯人一味とのハラハラドキドキのチェイスが繰り広げられ
圧倒的なピンチに陥いりどん底の恐怖を味わったシッドが
やがて自分の弱さを乗り越えて敵を倒す爽快感がたまらない。

脇を固めるキャラクターの個性も豊かで
義理の父チャールズとの大人の会話も実に味わい深い。
その後、「利腕」「敵手」…とシッドの活躍は続いていく。
ディック・フランシス作品は全作読まれる事をおすすめしたい。



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