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== 警察小説 ==

殺人者の顔

ヘニング・マンケル
創元推理文庫

★★★★



中年刑事クルト・ヴァランダーが活躍する人気シリーズの第1弾。

【あらすじ】
スウェーデン南部のスコーネ地方の村で、老夫婦が何者かに襲撃を受けた。
隣人の通報で警察が現場に赴くが夫は既に死亡。妻も瀕死の状態であった。
二人とも激しい拷問を受けた痕跡があり、重傷を負った妻も
「外国の…」という謎の言葉を残して搬送先の病院で息を引き取る。
一方、スウェーデン国内ではかねてから外国人排斥運動が高まり
今回の事件が運動に拍車をかけ、移民一人が射殺されるという事件が発生。
スウェーデン警察小説に新たなページをつくるシリーズの第1弾!

【読みどころとポイント】
ご存知、中年刑事クルト・ヴァランダーが活躍するシリーズの第1弾。
地元スウェーデンではもちろん、日本でも人気のシリーズだ。

先に本シリーズの傑作とされる「目くらましの道」を読了しているので
内容はいかにと思い読み始めたが、初回から高水準の内容だ。

とにかくこの中年バツイチ刑事クルト・ヴァランダーの造形がいい。
一言で言えば、冴えない中年オヤジなのである。

出て行った女房に泣きながら帰宅を懇願したり、
ひとりヤケ酒をあおって自虐的にふさぎこんだり
寂しさから女性検察官に抱きついたりと、兎に角情けないのだ。

彼は捜査においても天才的なひらめきを発揮するタイプでなく
事実をひとつずつ積み上げながら真実に迫っていく
ある意味では不器用な警察官である。

かの「マルティン・ベック」シリーズに代表される通り
スウェーデンの警察小説は、手がかりを地道に積み上げ
徐々に事件の核心に迫っていく堅実な構成が特徴であるが
これに冴えない中年オヤジの哀感を掛け合わせたことで
幅広い読者層の支持を得たのではと思う。

肝心のミステリはよく出来ていて
死亡した老夫妻が何故激しい拷問を受けていたのか、
ダイイングメッセージが意味するものは何か等、
魅力的な複数の謎が冒頭に提示され
捜査の進展が新たな謎を呼ぶ展開も読者を飽きさせない。

スウェーデンにおける外国人排斥運動など
当時の社会状況も物語の背景に据えることで
小説の奥行を持たせ単なる謎解きものに終わらない構成になっている。

シリーズは既に完結しているようだが
これから残りの既刊を読んでいくのが楽しみである。


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┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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