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== 現代ミステリ ==

黄 金

ディック・フランシス
早川書房
★★★☆



遺産相続人の一族から、富豪の父を守る息子の孤独な闘い

【あらすじ】
競馬を物語に織り込みながらミステリを書き続ける
ご存知、巨匠ディック・フランシスの作品。
巨額の富を築いた大富豪マルカム・ベンブロゥクの5番目の妻が殺され、
マルカム自身も同様に殺されかける。
マルカムは自分の一族の中に犯人がいるのではと疑いはじめるが、
警察はマルカム自身を妻殺しの有力容疑者として考え彼の話に全く取り合わない。
仕方なくマルカムは、2番目の妻の長男イアンに護衛を依頼するが
二人にもさらなる危機が訪れる。

【読みどころとポイント】
この物語では、10名以上のベンブロゥク一族が登場し、
全ての人物に遺産相続という利害関係があり、
誰もが容疑者としての資格を持っている。
しかし、この作品はミステリー色よりも、
むしろこれまでの確執から絶縁状態にあった父マルカムとイアンが、
事件を通じて徐々に打ち解け心を通わせていく人間ドラマがメイン。
ディック・フランシス作品の共通テーマである競馬も、
二人の長年の確執を氷解し互いを結びつける道具立てとして使われる。
遺産を独り占めするのではと一族から疑われ、
全員から罵声を浴びせられながらも、
ストイックにそして紳士的にふるまうイアンに、
読者は感情移入とともに強い憧れを抱くだろう。
金欲に取り付かれた一族のふるまいに辟易するかもしれないが、
後半では、一族のメンバーもそれぞれ苦しみを抱えていたことが判明し、
生きて行く事の難しさを考えさせられる展開となっている。
遺産相続をめぐる人間ドラマに重点をおいているため、
謎解きの楽しみは全体的に弱いが、
実はそれ自体をミステリの要素にしている事がミソ。
最後に意外な真相が待ち受けている。
地味ではあるがぜひ読んでいただきたい、ディック・フランシスの秀作。
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┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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