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== サスペンス ==

閉じられた環

ロバート・ゴダード
講談社文庫
★★★★



歴史の運命に翻弄された者たちをサスペンスフルに描くミステリロマン

【あらすじ】
大恐慌時代の余波さめやらぬ1931年、アメリカでの失策により
這々の体で豪華客船に乗り込みイギリスへ戻る詐欺師コンビ、ガイとマックス。
船上で偶然乗り合わせた著名な投資家の娘ダイアナをカモろうと画策するが
絶世の美女を前にしたマックスは本当の恋に落ちてしまう。
2人の様子から当初の計画履行に不安を抱くガイであったが
ダイアナの父であるチャーンウッドから彼らの恋愛を阻止するように頼まれ
躊躇しつつもやむなく行動をおこしてしまう。
しかしそれは思いもかけぬ殺人劇へのプロローグだった。

【読みどころとポイント】
相手を騙そうと思った者が逆に思いも寄らぬ運命に呑み込まれ…。
名匠ロバート・ゴダードお得意の逆?巻き込まれ型サスペンス。
相変わらずのストーリーテリングで読ませる読ませる。

初期の作品に見られた重厚な謎をゆっくり紐解いていく味わいは薄れたけれど
読み始めたらやめられないサスペンスフルな展開は面白さ十分。
読者は主人公のガイと一緒に次々と訪れるトラップに翻弄される。

ガイは詐欺師としての打算とある種の冷静さを兼ね備えた男だが
相手を徹底的に不幸にするほどの非情さは無く
ユーモアと自虐を兼ね備えた実は「いい奴」なのである。
だからこそ、読者はガイに感情移入しどこかで彼を応援してしまうのだ。

ゴダードの作品はプロットが実に緻密に練られており
物語の構成自体がミステリになっているため
ストーリーをここであまり丁寧に紹介しすぎてしまうと
未読の方の興味を大きく損なってしまう。
まったくもってレビューにはいつも泣かされる。

仕方無いので少しだけ書いておくと
本作では美女ダイアナの父に隠されていた恐るべき秘密が
物語の鍵ですべての悲劇の発端なのだが
この真相自体はやや荒唐無稽と言えなくもない。

それよりも、その運命に翻弄された者たちが繰り広げる
緻密な人間ドラマが本作のミソ。
詐欺師であるガイが逆に様々な人間のエゴや打算に相対して
己を見つめ笑いそして行動を起こす清々しさ。

何度も罠におちいりながら最後にガイにおとずれる灯。
パンドラの匣の底には「希望」が残っていた。
というわけで、この手のサスペンスを書かせても
ロバート・ゴダードはやっぱりひと味違いますね。


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┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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