== スポンサー広告 ==

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
┗ --:--:-- ━ Page top ━…‥・

== 現代ミステリ ==

黒い風

トニイ・ヒラーマン
ハヤカワ・ミステリアス・プレス文庫
★★★★



大破したセスナと麻薬密輸にからむ事件の謎を追うナヴァホ警察官

【あらすじ】
真夜中、インディアン保留地の砂漠でセスナが着陸に失敗して大破した。
警察の捜査では麻薬の密輸が疑われていた。
しかし機の残骸や付近から麻薬は発見されなかった。
別件の捜査中に偶然事件現場に居合わせたジム・チー巡査は、
連邦警察から疑いの目をむけられ執拗な追及を受ける。
上司の制止を無視して、真相の究明に乗り出すが…。

【読みどころとポイント】
インディアン保留地を舞台にしたミステリを数多く手がけてきた
トニー・ヒラーマンのジム・チー巡査シリーズ第一作目。
冒頭、ホピ族の一行が不可解な死体を発見するところから物語は始まる。
その後、場面が変わり夜間を航行する一機のセスナが着陸に失敗し大破。

印象的なシーンで幕を開ける本書は、ほどほどの厚さながら
重層的な謎がうまく提示されてプロットもなかなか練られており
ミステリとしてもかなり読ませるのだ。

本作の主な舞台は、もともとナヴァホとホピの共同の使用地だった場所で
最近の裁判でホピの土地に決まったという曰く付きの場所であり
捜査にあたるのがナヴァホ族警察のジム・チー巡査という設定だ。

部族が違えば聞き込み捜査も簡単にはいかない。
ナヴァホ族警察のジム・チーがホピ族の長老に話を聞き出すシーンも印象的。
同じホピ族の保安官補との微妙なコンビネーション捜査も読みどころのひとつ。
後半、神秘的なホピ族の「カチナの儀式」に向かって謎解きも加速し
クライマックスでポラッカ低地を襲う洪水のシーンなどはなかなかの迫力だ。

本書の読みどころは、アメリカ・インディアンの文化や慣習が
巧みにミステリや謎解きにいかされている点である。
つまり真相を究明するには、ホピやナヴァホの文化を
丁寧に読み解いていく事が大切なのである。
この点は、本書を読んでじっくりと体験していただきたい。

全体的の過剰な書き込みや心理描写を抑えた筆致で
ドライな文体はジョゼ・ジョバンニに近いものがあり
大自然を舞台にしたハードボイルドのような作風が
私にとってはこの上なく嬉しい。
トニー・ヒラーマンは初読だが、他の作品もぜひ読んでみたい。
スポンサーサイト

┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

┗ Comment:0 ━ Trackback:0 ━ 22:48:53 ━ Page top ━…‥・

== Comment ==






        
 

== Trackback ==

http://bencolin.blog9.fc2.com/tb.php/137-b7682fbd
 
Prev « ┃ Top ┃ » Next
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。