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== 警察小説 ==

目くらましの道

ヘニング・マンケル
創元推理文庫
★★★★★☆



謎の連続殺人に挑むヴァランダー警部の活躍を描くスウェーデン警察小説の金字塔

【あらすじ】
恋人との夏期休暇を心待ちにするヴァランダー警部に一本の電話が入った。
現場に駆けつけると、菜の花畑で少女がガソリンをかぶり焼身自殺。
目の前で少女が燃え上がる姿に衝撃を受けるヴァランダー。
一方、別の事件発生の一報が入った。
元法務大臣が背中を斧で割られ
頭皮の一部を髪ごと剥ぎ取られているというのだ。
そしてその後、第2、第3の殺人が…。
CWAゴールドダガー賞を受賞したスウェーデン警察小説の傑作。

【読みどころとポイント】
冒頭に物語の伏線となる挿話が描かれ、
その後少女がヴァランダー警部の目の前で焼身自殺をとげるという
劇的なファーストシーンから物語の幕があく。
一方、元法務大臣が斧で殺されその後次々と殺人が発生。
夏期休暇を目前にイースターの警察署は
警察官総動員で姿なき犯人を追うことになる。

とにかく全編にわたり、きびきびとした捜査状況がリズムよく描かれ
組織警察小説の醍醐味が存分に味わえる作品。
各章の合間に犯人の行動とモノローグが織り込まれ緊迫感も十分。
テンションを最後まで維持したまま物語が進んでいく
第一級のエンターテインメントだ。

警察ものと言うと、組織のはみ出し者の刑事が
一人で難事件に挑んでいく作品も多いが
ヴァランダー警部は年配の管理職でもあり、
部下を巧みに動かしながら真相へと迫っていく。
この展開がリアルかつ新鮮である。

管理職という立場だから
捜査のビジョンや指示出しも全て自分で行わなければならない。
自分の判断ミスは部下全員の捜査ロスにつながる。
率いる部下の面々も多種多様。
仕事よりもサッカー観戦を楽しみにしている者や
二人の子育てをしながら捜査に携わる者など、
価値観や家庭環境も異なるメンバーを
首尾よくまとめあげていかなければならない。

当のヴァランダーも父親の病気という課題を抱える一方、
間近に迫った夏の休暇を心待ちにしている一人だ。
解決までのタイムリミットが恋人との旅行期日というのもいい。

情にもろいのに警部という立場ゆえ
部下の前では自分の感情をおさえるも、
少女の自殺を目にして人知れず泣き出してしまう事も。
そんな人間味あふれるヴァランダーのキャラクターは
誰もが共感するところ。

一方、犯人による連続殺人の手は止まらず捜査は難航を極める。
連日の捜査で職員も疲労困憊だ。
捜査のプロセスや手がかり、証拠品、犯人の行動が
すべてフェアに開示されているのに
下巻の後半まで読者は犯人を絞れないだろう。
作家ヘニング・マンケルが周到に用意した「目くらましの道」に
読者はヴァランダー警部と迷い込む事になる。

長い上下巻のフィナーレとなるラストの挿話は
いま思い出しても涙が込み上げてくる。
感動の警察ドラマだと断言したい。

本書はミステリ好きなら絶対に読まなければならない傑作。
未読の方は、現在手にしている本を放り出し
すべての約束を後回しにしてでも読むべし!
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┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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== Comment ==

No title
こんにちは、はじめまして。
訪問者リストからお邪魔しています。

ヴァランダーの「イケてない中年」という設定が人間臭くて好きです。
ヒーローというポジションは私立探偵に任せていればいいわけで、
警察ミステリのようなジャンルはこれぐらいのヨレヨレ(失敬)がちょうどいいと思いました。
がるさん
はじめまして。コメントありがとうございます。本書ではヴァランダーだけでなく、イースター署の面々は過酷な捜査で後半みんなヨレヨレでした。これぞ警察小説です。
はじめまして
先日はコメントありがとうございました。
風邪でダウンしていたのでお返事送れてしまいました。
とても充実したブログですね。羨ましい!
私もヘニング・マンケル読んだことがあるので、こちらにコメントさせていただきました。
バンコランさんのレビューを読んで、『目くらましの道』すごく読みたくなってきました!
今までのレビューも、読書の際の参考にさせていただきますね。
遊び虫さんへ
サイト訪問ありがとうございます。
ミステリを中心にしつつも
今後も様々な作品を紹介していきたいと思います。
遊び虫さんのところへも
お邪魔させていただきますね。
これからもよろしくお願いします。
こんばんは
おそるおそるコメントしてみました。
これでいいのでしょうか。
さて、海外ミステリというと、英米の専売特許のような感じがするなか、ヘニング・マンケル、気を吐いていますよね。
ヴァランダー警部シリーズはほとんどハズレがなく(5~6冊翻訳があります)、すばらしいと思います。
YUMYさんへ
コメントありがとうございます。
全然問題なくアップされてます。
マンケルは次何を読むか迷ってます。
やはり最初から読もうかな。
追伸
コメント欄のURL欄にYUMYさんのブログアドレスをコピペすると、
当ブログのコメントからYUMYさんのブログへとべるようになります。





        
 

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