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== 冒険小説 ==

脱出航路

ジャック・ヒギンズ
ハヤカワ文庫
★★★★★



一隻の帆船の運命と誇り高き人間たちの生き様を描いた海洋冒険小説の最高峰

【あらすじ】
第二次世界大戦末期、戦況が連合国側に大きく傾く中
ブラジルのベレン港から一隻の老朽帆船が出港した。
それはドイツ人男女を乗せた偽装船だった。
一行は中立国のスウェーデン船を装い
一路祖国ドイツを目指す。
しかし船齢六十年の船体に加え、
大西洋は連合国軍の圧倒的な制圧下にある。
荒波にもまれながら大海原をひた走るドイッチェラント号。
一方、乗組員たちの運命を翻弄するかのように
英国の北方ファーダ海域には
至上空前のスケールの大嵐が接近していた。


【読みどころとポイント】
冒険小説ファンを自負する人なら読んでいな者はいないほどの名作。
作者のジャック・ヒギンズは、第二次大戦を背景に
連合国、枢軸国、双方の人間たちの銘々伝を書き分けながら
物語に広がりと厚みを持たせダイナミックな人間ドラマへと昇華させた。

荒波にのまれ転覆寸前の状況に落ち入りながらも
何度も何度も死の底から奇跡の生還をとげる
老朽帆船ドイッチェラント号の姿は雄々しく感動的だ。

登場人物たちは、どうにもならない苦境におちいった時にも
やせ我慢を持ち前のジョークで吹き飛ばすロマンティックな奴ら。
緊急時には軍人だけでなく
乗り合わせた尼僧たちも男顔負けの活躍を見せる。
この物語では敵味方や男女関係なく
誰もが冒険ドラマの主人公だ。

ヒギンズは、戦争に翻弄されるちっぽけな人間たちと
圧倒的な猛威をふるう大自然のスケールを対比して描くことで
戦争という行為の愚かさを浮き彫りにし
登場人物一人ひとりの誇り高い生き様を見事に活写した。

物語の後半、空前の大嵐に翻弄されるドイッチェラント号の姿に
米・英、独の軍人たちそれぞれが戦への矛盾と
自分たちの生き方を重ね合わせ自問自答する場面がある。

クライマックスの連合国・枢軸国の隔たりを越えた
ドイッチェラント号をめぐる感動の救出劇は本書の白眉。
長く苦しい航海の果てにヒギンズが用意した結末は至高の光を放っている。

戦争に翻弄されながらも誇り高い生き方を堅持する人間たちの生き様を
一隻の帆船の運命とともに高らかにうたいあげた本書は
まさに海洋冒険小説史上に残る不朽の名作だ。
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┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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== Comment ==

No title
読んだような気がするのは題名のせいでしょうか。「○○航路」というのが確かあったなあ、と。ジャック・ヒギンズ! 懐かしいなあ。
これは図書館で探してみましょう。
ディックさんへ
懐かしいでしょう!
冒険小説黄金期の作品ですね。
もう一般の書店でこのたぐいは
なかなかお目にかかれなくなりました。
往年の冒険小説名作も
ときどき紹介していきます。
いいなぁ、これ。
懐かしい、、て書くとヒギンズに失礼かな?
別名義の作品まで読んだりしていました。
でも、この作品は読み逃しています。
探そう、、。
indi-bookさんへ
懐かしい、として良いと思います。
第二次大戦を背景にした冒険小説、
今後そうは書かれないでしょう。
それにしても登場人物はみんなカッコよすぎます。





        
 

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