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== マンガ ==

ラスト・ワルツ

島田虎之介
青林工藝社
★★★★★



知られざる人生、語られなかった物語が紡ぎだす歴史の一大叙事詩

【あらすじ】
そこらにいる普通の人、たまたま出会った人々が
実は世界の歴史に一役かっていたとしたら。
そんな知られざる人生、語られなかった物語がひもとかれる時
我々は連綿と続く歴史の海に身をゆだねる事になる。
現代のマンガ界においてひたすら物語の可能性を追求し続ける
孤高の作家シマトラが贈る壮大な叙事詩

【読みどころとポイント】
さて島田虎之介=シマトラの作品の登場である。
シマトラは2008年に「トロイメライ」で手塚治虫文化賞新生賞を受賞した
知る人ぞ知る実力派のマンガ家だ。

初めて読む人はまずこのマンガの読みにくさに唖然とするかもしれない。
マジックでひたすら描きこんだような個性的な作風。
一見何のつながりも無いようなシーンの連続。
一読しただけではわからず読者に想像力を強いる短いセリフまわし。
しかしここで投げ出してはいけない。

ここには私たちが知らなかった壮大な歴史のドラマがある。
本書に収められた11の短編は語られなかった過去へ我々を誘うのだ。

いくつかの短編を紹介すると、
伝説のバイク開発に隠された沈黙の歴史、
チェルノブイリで独り生き残った消防士の孤独、
ガガーリンに有人宇宙飛行を譲った元飛行士の苦悩、
60年の時を経て日本に帰国したブラジル移民の追憶…など。

これらが独立した読み応えのある物語であるばかりでなく
個々の物語がラストのクライマックスに向けて
複雑に絡み合いながらドラマチックに結実していく。
いやー何というマンガだろう。

表層的でビジュアル重視の現代マンガに迎合せず
あえて重層的な歴史ドラマを持ち込み
丹念に緻密なエピソードを積み重ねながら
ひとつの壮大な物語を構築するという試みだ。

歴史の中に埋もれた人々の孤独と人生の喪失。
しかし最期の最期に
シマトラは永きにわたる喪失の物語を
未来へ続く希望の物語へと見事に昇華させた。

かつて手塚治虫が「火の鳥」や「アドルフに告ぐ」といった
重厚な物語で紡ぎだした“物語としてのマンガの感動”を
もう一度我々に提示してくれる素晴らしい作品。
定価¥1,300の価値はあるよ!恐れ入りました。
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┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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