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== 現代ミステリ ==

ウィーラーからの電話

ウィリアム・G・タプリー
扶桑社ミステリー
★★★☆



大自然に抱かれた湖畔で発生した失踪事件に都会派弁護士コインが挑む

【あらすじ】
ボストンで弁護士を営むブレイディ・コインのもとに、
カナダ国境に近いレイヴン湖畔でロッジを経営しているタイニ・ウィーラーから
一本の電話が入った。
地元インディアンから周辺が聖地であると主張され、
土地の買収問題に巻き込まれているといのだ。
コインは水上飛行機で現地へ飛ぶが、到着と前後して2人の男が姿を消した。
やがて殺人事件が発生し、捜査を進めるコインにも危機が迫る。
ボストンの都会派弁護士ブレイディ・コインの活躍を描くシリーズ5作目。

【読みどころとポイント】
ブレイディ・コインシリーズは既に絶版で古書店でもあまりお目にかからない。
ボストンが舞台のスペンサーシリーズ等と比べても
人気や知名度の点で大きな差があるのも事実で
読んだ事が無いという人も多いだろう。
しかし私の大好きなシリーズのひとつである。

コインシリーズの魅力は適度なミステリと洒落た会話のセンス。
人物造形のうまさとリラックスして読めるストーリーだ。

コインはどこかの私立探偵のように人生の訓示を並べ立てたり
ワイズクラックを不必要に乱発したりしない。
芝居がかった荒唐無稽なアクションもなく
じっくりと腰を据えて冷静に事件をとらえる“知性派弁護士”だ。

円熟した大人の落ち着きと洒落たセンスを持ち合わせ、
それでいて適度な明るさとユーモアがあるから
物語も陰鬱にならずリラックスして読めるのである。
本書の巻末で解説の池上冬樹氏も同様に述べており同感である。

さて今回は“弁護士の休暇”とでも副題をつけたくなるような内容。
行動目的の半分は仕事。半分は趣味の釣りだ。
カナダ国境に近い大自然の懐に抱かれた湖畔での釣り場面が何度も登場し
コインと一緒にアウトドアを満喫している気分が存分に味わえる。

タプリーはアウトドア誌への寄稿もしていたそうで自然の描写は天下一品。
季節のうつろいや生き物たちの息づかいまでも
繊細かつ詩的に描き出すセンスに満ちあふれている。

肝心のミステリの方は、アメリカが抱えるインディアンの問題を背景にしつつも
都会派らしいツイストをきかせた仕上がり。
結末には意外な真相が用意され、読者を十分楽しませてくれる。

ウィリアム・G・タプリーは2009年に亡くなり
扶桑社ミステリから発刊されていたコインシリーズもすべて在庫ゼロという状況。
できれば復刊して多くの人に読んでもらいたいと思っている。
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┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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