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== ハードボイルド ==

長く冷たい秋

サム・リーヴズ
ハヤカワ文庫
★★★★★



シカゴのタクシー運転手が挑む孤独な闘い

【あらすじ】
シカゴでタクシー運転手を営むクーパーは、
ある日新聞で大学時代に思いを寄せた女性ヴィヴィアンが転落死をとげた事を知る。
彼女の筆跡の遺書もあり警察は自殺として処理したが、
その息子ドミニクが、殺人に違いないと主張する事から、
クーパーは真相の解明に乗り出すことに。
14才の少年ドミニクの言葉に半信半疑ながら、事件の背景を探るクーパー。
やがて、二人ををねらう殺し屋が現れ、
様相は一変し物語はさらなる謎へと突き進む。

【読みどころとポイント】
クーパーはヴィヴィアンが大学を去る直前に一夜を共にした事があり、
実はドミニクが自分の息子なのではないかと考える。
ヴィヴィアンは現在の夫と離婚したばかりで、
ドミニクは父との関係がうまくいっていない。
殺人だというドミニクの見解に半信半疑ながらも、
クーパーはこの事件に真摯に取り組まざるを得なくなるのである。
警察や探偵でもない者を真相解明の当事者にすえる場合
行動規範の根拠を明快にしておかないと
説得力やメッセージ性に乏しい作品となってしまうが
本書は親子関係の可能性という視点を取り入れ
物語をハードボイルドの高みに押し上げている。
事件の背景を探るうちにヴィヴィアンの知られざる人間関係が明らかになり、
様々な容疑者と思われる人物が現れるが、真相解明には至らない。
その間も、暗殺者の容赦ない襲撃がクーパーを襲いページを繰る手がとまらない。
その日暮らしのようなタクシー運転手の孤独な闘いを切々と描き出す物語は、
ハードボイルドの形態をとりつつも、素人探偵が様々な仮説検証を繰り返しながら、
真相に迫って行く本格ミステリ(フーダニット)の醍醐味も十分備えている。
すべての真相が究明された後、
クーパーとドミニクが対峙するラストシーンは……。
そう、いつまでも読者の心に残ります。
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┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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== Comment ==

No title
古い名作が続々と並んでいますが、現在も入手はしやすい本…、これらはリアルタイムでお読みになっているのでしょうか。
それであれば、じつに充実した読書ライフですね。
ハヤカワのサム・リーヴス、好きで全部読みましたよ。もう細部までは憶えていませんが…。
ディックさん
サム・リーヴスは初読了です。
ハードボイルドが好きになったのは
意外にここ数年なので。
クイーンやクリスティ、
ヴァン・ダイン、カーなどから
私のミステリ歴がはじまりました。
往年の名作もこれからときどき
紹介していこうと思います。





        
 

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