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ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命

梅田 望夫・飯吉 透
ちくま新書
★★★☆



知と教育の開放~オープンエデュケーションの実像に迫る

「ウェブ進化論」の著者梅田望夫が教育学者の飯吉透とともに
知と教育の開放~オープンエデュケーション~について
アメリカの先行事例を中心にその可能性をこれでもかと書いた新書。

本書執筆の発端は、マサチューセッツ工科大学が大学の教育コンテンツを
ウェブを通じて全世界に無料で配信すると宣言したことにある。
当初課金ビジネスを視野においたが、ビジネス化が難しいと判断した時点で
それならいっそ世界中の人々に無料で使ってもらおうと決めたのだから驚きだ。

オープンエデュケーションと呼ばれるマサチューセッツ工科大学の大胆な試みは
教育界はもとより産業界、経済界、社会全体にセンセーショナルを巻き起こした。
これによって金銭面や諸事情で大学に通うことのできない人々も
教育の自由、学ぶ事の自由を手に入れられるという訳だ。

著者の梅田は、アメリカのオープンエデュケーションの急速な広がりについて
その根底に自由の国アメリカの“相互扶助”や“ボランティア精神”があると語る。
日本の大学でも近年オンラインで講座を受講できるしくみや
キャンパスそのものを持たないサイバー大学も出始めてはいる。
しかし、日本の大学がすべての知を無料で世界中に開放しようという試みは
国民性や文化を考えると生まれにくいなと思ってしまう。

教育そのものを学ぶ側に思い切って預けてしまおうという大胆な発想。
その意味では、オープンエデュケーションは学ぶ側にも
膨大に流布される教育コンテンツを目利きし
自ら学習の体系を組み上げ学び取る能力が求められる。
この結果、ウェブを通した人のつながり=学びのコミュニティが形成され
そこにまた新たな学び合いによる価値が生まれるという。

確かに近年、国内の有名大学を出たにもかかわらず
就職できずにアルバイトにつく若者も後をたたない。
日本の大学も大きな岐路に立たされているのは間違いない。

我々は既にウェブという革新的な道具を得て
世界中の知の海を泳ぐ事ができるようになった。
さらにそこに教育というシステムが、世界中の人々によって付与されたなら
学びはもっと加速し人類の知のポテンシャルが大きく飛躍するということらしい。

本書の書きっぷりがあまりにも肯定的なのがやや鼻につくが
ウェブによる教育の新たな潮流が確実に生まれつつあるのは事実で、
今後の日本においてどのように受け入れられていくのかに注目してみたい。
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┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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