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== ハードボイルド ==

長いお別れ

レイモンド・チャンドラー
ハヤカワ・ミステリ文庫
★★★★★



哀切な男の友情と別れを一杯のギムレットとともに描いた巨匠の名作

【あらすじ】
フィリップ・マーロウは酒場で酔いつぶれたテリー・レノックスと出会い、
いつしか彼に惹かれ酒場で杯を傾けるようになる。
そんなある日マーロウはテリーから
“何も言 わず空港まで連れていってほしい”と頼まれた。
彼の手には拳銃が握られていた。
テリーを車で空港まで送りメキシコに向かう飛行機に乗せたが
後日彼の妻が死体で発見され、テリーは殺人の容疑者として手配されるが
彼はその後メキシコで自殺をとげてしまう。
テリーに殺人などできるわけがないと考えたマーロウは真相究明に動き出した。
ハードボイルドの巨匠レイモンド・チャンドラー不朽の名作。

【読みどころとポイント】
これまで多くの人々に読みつがれてきた小説で
いまさら感想を書くなど恥ずかしいのだが
何度読み返しても新鮮な感動がある作品である。

物語の冒頭、マーロウとテリーとの出会いはさして劇的なものでもなく
マーロウはテリーに惹かれるものがあったと簡単に語られるだけで
何故彼がそこまでテリーを助けるのかの具体的な説明はなされない。

それでも彼ら二人が酒を酌み交わす場面が秀逸で
読み手に彼らの絆を納得させてしまうのである。

容疑者を逃亡させた罪で投獄されようが
周囲から圧力をかけられようが生き方を曲げないマーロウ。
普通ならどうしてそこまでとなってしまうのだが
行間から立ち上って来る空気が
マーロウの行動を正当化してしまうのだ。

テリーの自殺後に全く別の事件の依頼がマーロウに舞い込むが
その捜査がやがて最初の事件とむすびつき意外な真相にたどりつく。
プロットはゆったり進みミステリとしての緊迫感やサスペンスは無い。

謎解きよりも全体の雰囲気とマーロウの生き方を味わう事が
本作品の楽しみ方と言えるだろう。

何度も出て来る酒場のシーン。
本作を読んでいると無性に酒が飲みたくなって来るのだ。

ほんのわずかしか登場しない脇役もよく立っている。
芝居がかったマーロウの皮肉っぽいセリフも
チャンドラーの小説では最高にかっこよく昇華されてしまうのだ。

一度読んだだけではわからないセリフの味わい。
読み返すたびに新たな発見がある小説というのはそうあるものではない。

本作を味わいつくすには私もまだまだ未熟ということだろう。
そう「ギムレットにはまだ早すぎるのだ」




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┃ テーマ:ブックレビュー ━ ジャンル:小説・文学

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== Comment ==

No title
チャンドラーは、プロットがいい加減な面もありますが、確かにセリフや個々のシーンの魅力は素晴らしいですね。The Long Goodbyeは、最近の新訳と二つ出ていますが、どちらも一長一短の面があって、原書で参照することも多いのですが、清水俊二氏の訳は初めて読んだ思い出の訳で、今も愛着を持っています。
渕上さまへ
コメントありがとうございます。
新訳はえっと、村上春樹さんだったかな。未読です。
一度目を通しておかねばと思っています。
最近は本格推理ものから離れて、ハードボイルドや
ノワールの方に傾倒しています。





        
 

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